新電力おおいたの新プラン「RE100でんき」
環境にやさしく、電気自動車購入の際に補助金がもらえる!?
皆さんは【RE100】という言葉をご存知でしょうか?
RE100とは
【RE100】とは、Renewable Energy100%の略であり、企業が事業活動に使う電気を100%再生可能エネルギー(太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力の発電所から発電した電気)で調達することにより、温室効果ガスの削減を目指す国際イニシアチブ(企業連合)です。
簡単にいうと、地球温暖化を食い止めるために、再生可能エネルギーの普及・推進を目指す世界規模の団体です。
新電力おおいたはこの【RE100】が掲げる公約に賛同し、5月1月より、RE100基準の電力=再生可能エネルギー100%を提供する新プラン「RE100でんき」の受付をスタートしました。
【RE100基準の電力(再生可能エネルギー100%)】を使うと、地球環境に貢献できるだけでなく、電気自動車購入時に補助金を受給できるため、一般の方のお問い合わせも増えています。
今回はそうした【RE100】と、新プラン「RE100でんき」について詳しくお話ししたいと思います。
※新プラン「RE100でんき」について早く知りたい!という方は下方のプラン紹介の部分からお読みください。
RE100の目的と背景
最初に【RE100】の目標と、なぜその目標を達成する必要があるのか、背景を簡単にご説明します。
CO2(二酸化炭素)排出量実質ゼロ、脱炭素社会の実現
火力発電(化石燃料の燃焼)で発生するCO2は、さまざまな環境問題を引き起こしている“地球温暖化”の大きな原因とされています。このまま放置すれば、地球環境は悪化の一途を辿るかもしれません。
地球温暖化対策は“今”世界規模で考えるべき重要な問題であり、実際、国際会議で以下のような約束が交わされています。
1997年 京都議定書
京都議定書は、世界規模ではじめて交わされた地球温暖化対策の取り決めです。
【目標】
- 温室効果ガスを2008年から2012年の間に、1990年比で約5%削減すること
- 国(先進国のみ)ごとの温室効果ガス排出量の削減目標を設定
日本は「1990年比で2008~2012年に6%の温室効果ガスの排出量削減を義務付け」られました。
2015年 パリ協定(2016年11月4日発効)
パリ協定とは、「京都議定書」を引き継ぎ、温暖化対策を進めていくための条約です。
【目標】
- 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
- そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる
パリ協定が画期的といわれているのは、先進国だけでなく、途上国を含む全ての参加国に温室効果ガスの排出削減の努力を求めた点です。
日本に対しては「2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度比で26%削減すること」が目標として定められました。
2019年気候行動サミット
【目標】
- 2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする
- 70か国が2020年までに国別目標を引き上げる
RE100参加企業
2021年3月19日現在、国別では26カ国から292社の参加があり、国別参加企業数では、⽇本はアメリカ77社に次ぐ50社が参加しています。※環境省資料より
- グーグル
- アップル
- BMW
- ソニー など
脱炭素社会の実現へ向けての取り組みは、企業にとっても大きな課題です。
世界規模で再エネの普及・推進が進められる中、今後、「脱炭素社会の実現へ向けてどういう取り組みを行なっているか」が企業価値を左右する一つの判断材料になるといっても過言ではありません。
実際、海外では投資や融資、取り引きをする際の判断材料とする動きもではじめています。
日本の【RE100基準の電力(再エネ100%)】への取り組み
当然、日本も国家として【RE100基準の電力(再エネ100%)】の普及・推進に積極的に取り組んでいます。
2018年6月には、環境省が公的機関としては世界で初めて【RE100】にアンバサダーとして参画し、【RE100】の取り組みの普及のほか、自らの官舎や施設での再エネ電気導入に向けた率先的な取り組みやその輪を広げていくことを宣言しました。
では日本企業の動きはどうでしょうか?
【RE100】には日本企業も参加していますが、「国際的に影響力がある企業であること」が前提のため、中小企業はほぼ参加することができません。
そのため、日本の中小企業向けの「再エネ100宣言RE Action」が発足し、2021年5月現在、132団体が参加しています。目的や取り組みは【RE100】と同じです。
新電力おおいたの親会社である株式会社デンケンは、以下の条件をクリアし、「再エネ100宣言RE Action」に参加しています。
再エネ100宣言RE Action参加条件
- 遅くとも2050年迄に使用電力を100%再エネに転換する目標を設定し、対外的に公表すること
- 再エネ推進に関する政策エンゲージメントの実施
- 消費電力量、再エネ率等の進捗を毎年報告すること
※再エネの定義は【RE100】の基準に準じる。
【RE100基準の電力(再エネ100%)】であることの証明方法
皆さんもご存知のように、日本はまだまだ火力発電が主流です。そんな中でどうやって【RE100基準の電力(再エネ100%)】であることを証明するのか疑問に思った方も多いのではないでしょうか?
実は、【RE100基準の電力(再エネ100%)】は環境価値があることの証明書「FIT非化石価値証書」がなければ売ることができません。その仕組みを簡単にご紹介します。
FIT非化石価値証書とは
一般家庭や事業所が再生可能エネルギーを使って発電した電力は、電力会社がFIT制度(固定価格買取制度)に乗っ取って“高額”で買い取ります。
しかし、買い取ったFIT電力は再エネ100%であるにも関わらず、そのままでは「環境価値」のある【RE100基準の電力(再エネ100%)】として販売することはできません。
なぜなら、FIT制度で買い取る際の買取金額の一部を、需要家(電気を使っている国民全員)が「再エネ賦課金」という名目で負担しているからです。
つまり、FIT制度で買い取った電力の「環境価値」は電気を使用している全国民が所持していることになります。
そのため、私たち電力会社が環境価値を有した【RE100基準の電力(再エネ100%)】を販売する際は、「非化石価値取引市場」で「環境価値」を買い戻す必要があります。
例)新電力おおいたが環境価値を買い戻す流れ
- 新電力おおいたが発電事業者(個人含む)からFIT電力を買い取る
↓ - 買い取った電力量をFIT電力の管理等をしている国の機関GIOに報告
↓ - GIOが報告のあったFIT電力量から環境価値を分離し、その価値をJEPX(日本卸電力取引所)に卸す
↓ - 環境価値が非化石価値取引市場で販売される
↓ - 新電力おおいたが非化石価値取引市場でFIT電力の環境価値を買い戻す
↓ - 環境価値のある電力の証明として「FIT非化石価値証書」が発行される
要は環境にやさしい【RE100基準の電力(再エネ100%)】であることの証明書ですね。
しかし、FIT非化石価値証書があるだけではまだ【RE100基準の電力(再エネ100%)】として販売することはできません。
【RE100基準の電力(再エネ100%)】として販売するためにはトラッキング(属性の付与)が必要です。
トラッキング付FIT非化石価値証書とは
トラッキングとは属性のことです。
私たちが「非化石価値取引市場」で環境価値を買い戻した【RE100基準の電力(再エネ100%)】に、政府(環境省 資源エネルギー庁)によってトラッキング情報(電源種や発電所所在地等)が付与されてはじめ【RE100基準の電力(再エネ100%)】として需要家に販売できる電力が生まれるのです。
FIT電力と環境価値の関係
「RE100でんき」を販売する流れ
新電力おおいたが親会社である株式会社デンケンからFIT電力を買い取った際の事例
ちなみに、FIT非化石価値証書の発行は“需要家が「再エネ賦課金」を支払って有している環境価値”を電力会社が買い戻すことであり、その量が多くなればなるほど現在電気代に上乗せされている再エネ賦課金の負担は減っていきます。
この後、一般の方が【RE100基準の電力(再エネ100%)】を“使う”メリットについてお話ししますが、これは【RE100基準の電力(再エネ100%)】が“広まる”ことのメリットといえます。
一般のご家庭が【RE100基準の電力】を使うメリット
これまでお話ししてきたように、【RE100基準の電力(再エネ100%)】の普及・推進は地球温暖化を食い止めるために絶対必要なものであり、地球に暮らす私たちの重要な使命といえます。
とは言っても、【RE100基準の電力(再エネ100%)】は発電コストやFIT制度との兼ね合いで、どうしても割高です。「【RE100基準の電力(再エネ100%)】を使うメリットはないの?」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
ここでは一般のご家庭が【RE100基準の電力(再エネ100%)】の電力を使うメリットをご紹介します。
①地球温暖化を食い止めるために必要な「脱炭素社会の実現」に貢献できる
やはり一番のメリットはコレ。私たち一人一人が環境問題へ目を向け、【RE100基準の電(再エネ100%)】を使うことで、地球の未来を守ることができます
②電気自動車を購入の際、補助金を利用できる
意外と知られていないのですが、【RE100基準の電力(再エネ100%)】を使用すると、電気自動車を購入する際、補助金を受給することができます。
国は、脱炭素化のためにさまざまな補助金制度を導入しています。
その一つが、「再生可能エネルギー」と「電気自動車(EV)等」を活用した「ゼロカーボン・ドライブ(ゼロドラ)」に取り組む方への補助金です。
電気自動車補助金制度の詳細
受付期間
2021年3月26日より開始
対象者
電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)を購入する個人、団体、企業
※2020年12月21日以降、新車新規登録(登録車)または新車新規検査届出(軽自動車)された車両が対象です。
補助対象なる車両や補助額は以下より確認できます。
http://www.cev-pc.or.jp/hojo/pdf/r02ho/r02ho_meigaragotojougen.pdf
補助金額
最大80万円
※車両によって異なります。
条件
①再生可能エネルギー100%電力の調達
- 自家発電・自家消費
家庭や事業所で自家発電した再エネ100%電力を自家消費する - 再エネ電力メニューの購入
小売電気事業者が販売する再エネ100%電力メニューを購入する
②モニター制度への参加、協力
- 再エネ電力やEV等の利用状況の実態調査(最低年1回、webにて入力)
- アンケート調査への協力(年1回)
- PR活動(任意)等への協力
※①、②ともに4年間
さらに、オプションとして「充放電設備/外部給電器」を購入する場合は、災害時等における地域への貢献等を要件にその購入費・工事費の一部も補助対象となります。
充放電設備(V2H)とは
充放電設備とは電気自動車と家をつなぐ給電設備です。この設備があれば電気自動車の電気を家に送ることができるようになるため、停電時も普段と同じようにご自宅で電気を使うことができます。
新電力おおいたが2020年11月に行なったER100の実証実験「電気自動車を「災害時の非常用電源」とする実証実験を行いました!」でも使っていますので、興味のある方はご覧ください。
申し込み方法など詳しくは「環境省のホームページ」をご確認ください。
さて、次は新電力おおいたの取り組みについてお話しします。
新電力おおいたの【RE100基準の電力(再エネ100%)】への取り組み
新電力おおいたの企業理念の一つに「自然エネルギーの普及(=クリーンな再生可能エネルギーを普及させ、地球環境を守る)」があります。
その実現のため、2020年11月、由布市庄内町大津留地区で行われた秋季避難訓練にお邪魔して、大分県エコエネルギーチャレンジ支援事業である【RE100基準の電力(再エネ100%)】を使った実証実験「災害時の避難所への電力供給」を実施しました。
これは「災害が起こった際、【RE100基準の電力(再エネ100%)】で充電したEV車(日産リーフ)を使い、どのくらい避難所の電力を賄うことができるか」を検証するものです。
RE100の実証実験は、新電力としては大分県初の試みでした。
大分県エコエネルギーチャレンジ支援事業とは
大分県エネルギー産業企業会はエネルギー関連産業の集積を加速するため、
- 水素
- スマートコミュニティ・RE100的に結び付け、エネルギーの効率的な地産地消を図り、の同時にRE100を目指す取組み
- 地域課題の解決や地方創生に繋がるエコエネルギーに関する事業
上記3つの分野に関して、活動費の助成を行なっています。新電力おおいたの取り組みは2.に該当するものです。
実証実験の目的
- トラッキング付非化石価値証書(【RE100基準の電力(再エネ100%)】)活用の有効性検証
- 災害時の電源確保の手法提案・課題の洗い出し
- 新電力おおいたの企業理念「自然エネルギーの普及」「地域活性化(地域貢献)」「エネルギーの地産地消」の実現
この実証実験の様子は「電気自動車を「災害時の非常用電源」とする実証実験を行いました!」で詳しくご紹介しています。
電気自動車でここまで避難所の電力をカバーできるのか!という驚きの検証結果が出ていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
新電力おおいたの新プラン「RE100でんき」は、大分県や由布市にご協力いただいたこの実証実験で【RE100基準の電力】の有効性を十分に確認した上で、スタートしました。
新電力おおいたの新プラン「RE100でんき」とは
新電力おおいたの「RE100でんき」は、FIT電気とFIT非化石価値証書を紐付け、環境価値のある再生可能エネルギー100%の電力(CO2排出量実質ゼロ)をご提供するプランです。
【RE100】の公約に賛同し、脱炭素社会を目指す一助となるべく、スタートしました。
新電力おおいたの「RE100でんき」のポイント
①地球環境、地域、社会へ貢献できる
これは【RE100基準の電力(再エネ100%)】自体のお勧めポイントではありますが、、、
新電力おおいたは、企業理念として「自然エネルギーの普及」「地域活性化(地域貢献)」「エネルギーの地産地消」を掲げ、積極的な地球環境、地域、社会への貢献活動を行なっています。
新電力おおいたのプランにご加入いただくことで、間接的にではありますが、より多くの貢献活動にご参加いただくことができるものと自負しています。
②安い
「RE100でんき」は標準プランに月々+480円。これは全国的に見ても安い設定です。
また、新電力おおいたは、企業努力(徹底したコストカット)によって電気代そのものを安く抑えています。
そのため、現在他社でご契約の方は「新電力おおいたへの乗り換え」で、「RE100でんき」で上乗せになった480円を相殺できる可能性もあります。お気軽にご相談ください。
③使用電力の価値を知ることができる
「RE100でんき」をご契約いただいた皆様には、定期的に【トラッキング付FIT非化石価値証書番号】をお知らせ致します。
電源の種類(発電方法)や発電所の所在地を知ることで、ご自分が使っている【RE100基準の電力(再エネ100%)】の価値を実感することができます。
④電気の残量が一目でわかる
「RE100でんき」の明細に、新電力おおいたが保有している【RE100基準の電力(再エネ100%)】の残量を記載致します。
これにより「【RE100基準の電力(再エネ100%)】の供給が途絶えるかもしれない」という不安を解消し、安心して環境価値のある電力をお使いいただくことができます。
RE100でんきの詳細
詳しくは、「RE100でんき」ページをご覧ください。
まとめ
今回は新電力おおいたの新プラン「RE100でんき」のご紹介にあたり、【RE100】と、その考えや目的、世界の動きについて簡単ではありますが、ご説明させていただきました。
【RE100基準の電力=再生可能エネルギー100%】の普及・推進の流れは今後さらに加速していくことが予想されます。
再生可能エネルギーに関して、先進国の中では一歩遅れを取っている日本ですが、「再生可能エネルギーを使うのが当たり前」といわれる時代がすぐそこまできているのです。
企業も敏感です。欧州ほどではありませんが、投資や融資、仕事上の取引において、「再生可能エネルギーを使っているかどうか」を判断材料の一つに加える動きも徐々にはじまっています。
他にも実験的に再生可能エネルギー100%の街をつくったり、電力を長期間貯めておける※水素の可能性を追求したり、。さまざまな取り組みが行われています。
※電力使用量が少ない春、秋は、需要と供給のバランスを保つために、太陽光発電の出力抑制が頻繁に行われます。長期間、電力をためておくことができれば、出力抑制をすることなく、電力使用量が少ない季節に発電した電気は保存し、電気使用量が増える夏、冬に使うことができます。
脱炭素社会の実現は決して遠い未来の話ではないのです。
RE100でんきはその一助となるべく生まれたプランです。地球のため、子どもたちの未来のためにご検討いただけると嬉しいです。
※新電力おおいたの新プラン「RE100でんき」PDFダウンロードはこちらから