新電力おおいたでは、2023年4月1日から「燃料費調整額」に代わり、独自の「電源コスト調整費(新電力おおいたの電源コスト変動を反映させるもの)」を導入することとなりました。
今回の「電源コスト調整費」は、単なる値上げではありません。「電源コスト調整費」は、国の見解に沿った電源調達コスト(電気の仕入れにかかる費用)の変動を、より適切に電気代に反映するための仕組みとなります。
ここでは、「電源コスト調整費」の詳細に加え、今回導入するに至った背景、私たちの想いについて詳しくご説明させていただきます。
「燃料費調整額」が
「電源コスト調整費」へと変わります
まずはじめに、「電源コスト調整費」とは何かをご説明いたします。
毎月皆さんにご請求する電気代には、以下の内容が含まれています。その中の 「燃料費調整額」←ここが「電源コスト調整費」に変わります。
請求書の変更部分
電気代の内訳
- ※1 電力単価×1ヶ月の使用料金(毎月の電気使用量です)
- ※2 再エネ賦課金単価×1ヶ月の使用料金(全ての電力会社同額)
- ※3 燃料費調整単価×1ヶ月の使用料金(九州電力・自由料金と同額)
「電源コスト調整費」
導入の背景
現在、多くの方々が電気代の高騰に頭を悩ませており、私たち新電力も同様です。
今回、私たちが「電源コスト調整費」の導入に踏み切った背景には、電気代の高騰に関連する発電費用の高騰が大きく関わっています。
①電気代高騰の理由
1. 電力不足
主に以下の理由で、日本は慢性的な電力不足に陥っています。需要はあるのに、供給が少ないため、当然価格は上昇してしまいます。
原子力発電の停止
2011年の東日本大震災以降、原子力発電の停止が相次ぎました。再稼働が現実味を帯びてきていますが、現在も多くの原発が停止しているため、その影響は大きいといえます。
火力発電の減少
日本の発電量において、未だに大きな割合を占める火力発電ですが、老朽化、採算が合わない、CO2排出によるイメージ悪化、再生可能エネルギーの普及などの理由により、休廃止が進んでいます。
2. 託送料金の値上げ
託送料金とは、一般送配電事業者(九州の場合は九州電力送配電株式会社)が設定する、送配電網(電気を送る電線)の利用料金です。この託送料金の見直しが実施され、2023年4月1日より、全ての小売電気事業者に適用されます。
3. 再エネ賦課金の値上げ
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギー発電促進賦課金のことを言います。電気代には、太陽光など自然の力を利用して生み出される枯渇することのない“再生可能エネルギー”を普及させるための必要経費が再エネ賦課金としてプラスされています。
再生可能エネルギーの普及に伴い、再エネ賦課金は年々値上がりしています。しかし、これはネガティブな費用ではなく、再生可能エネルギーが着実に普及している証です。また、その性質上永続的に支払い続けるものではなく、2032年あたりを境に下がり始め、やがて0になります。
4. 燃料費調整額の値上げ
燃料費調整額は、火力発電に必要な燃料の価格変動を反映するための費用であり、燃料が基準価格より高い場合には電気代にプラス調整(値上げ)、低い場合にはマイナス調整(値下げ)されます。飛行機の燃料サーチャージをイメージすると分かりやすいかもしれません。
現在、ロシアとウクライナの紛争や円安の影響で、燃料の輸入価格が高騰しており、燃料費調整額も高くなっています。この状況が長期化すれば、燃料費調整額の値上げが続く可能性があります。
②発電費用の高騰
電力業界では、一昨年から続く国際的なエネルギー価格高騰により、発電費用が2~3倍程に膨れ上がっています。その影響の一つが上記の「燃料費調整額の値上げ」です。
これに加えて、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格が高騰していることや、大手電力会社の動向も不安定になっていることが、発電費用の高騰を招いています。
そのため、電力を「日本卸電力取引所(JEPX)」から仕入れている新電力の電源調達コストは過去に類を見ないほど高騰しています。
「電源コスト調整費」
導入の背景
電源調達コストの高騰は、私たち新電力にとっても死活問題です。実際、このコスト高騰に耐えきれず、撤退の道を選んでいる新電力も少なくありません。
私たち新電力おおいたにとっても「電力の安定供給」や「大分産の自然エネルギーで、地域経済を活性化させるという理念の実現」が危ぶまれる状態にありました。そこで、この先を見据えた対策として、「電源コスト調整費」の導入を決断しました。
以下では、新電力おおいたが「電源コスト調整費」導入に至るまでの具体的な経緯を詳しくご紹介します。
燃料費調整額の上限撤廃
現在、多くの新電力が「燃料費調整額」の上限を撤廃し、膨大な発電費用の上昇分を価格に転嫁しています。新電力おおいたも2022年5月1日に撤廃しました。
これは新電力に限った話ではありません。発電費用上昇に悩んでいるのは大手電力会社も同じです。九州電力様を含むほとんどの大手電力会社が、一部メニューで「燃料費調整額」の上限を撤廃しました。
しかし、大手電力会社には「燃料費調整額」の上限を撤廃できないメニューが存在します。それが「規制料金」メニューです。
規制料金とは
2016年の電力自由化以前から提供されていた大手電力会社のメニューがこの「規制料金」に該当します。「規制料金」メニューは、消費者保護の観点から内容や料金を勝手に変えることができません。もちろん、燃料費調整額の上限も電気事業法によって定められています。改定する場合は、経済産業大臣の認可が必要です。
ただし、現在、大手電力会社7社(東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力、北海道電力、東京電力)が「燃料費高騰」などを理由に規制料金の値上げ申請を行っています。早ければ2023年夏前には認可される予定です。
自由料金とは
一方、「自由料金」は、2016年の電力全面自由化以降に設定された、料金も内容も自由に変更できるメニューです。新電力のメニューはこれに該当します。
「自由料金」メニューの改定には、国の認可は必要ありません。「燃料費調整額」も自由に変更できます。そのため、多くの新電力、大手電力会社の「自由料金」メニューにおいて、「燃料費調整額」の上限撤廃が行われました。
「燃料費調整額」が高くなっている現在、上限の有無が電気代に影響しています。
「大手電力会社の料金が、新電力より安くなった!」と思っている方は、大手電力会社の「規制料金メニュー」と新電力の「自由料金メニュー」を比較しているかもしれません。
新電力の方が「燃料費調整額」以外は安い場合も多いので、同じ「自由料金」メニュー同士で比較するとイメージが変わるかもしれません。
電気料金体系についての国の見解
「燃料費調整額」の上限を撤廃したものの、まだまだ厳しい状況は続きます。それは、新電力おおいたが電気を調達する場所が多岐にわたることに起因しています。
電源構成が多岐にわたるということは、電源調達コストも多岐にわたるということです。つまり、電源調達コストの変動を燃料費調整額だけでは反映できないのです。
- 当社は水力・地熱等の電源を100%とする再エネメニューや非化石証書を使用した実質再エネメニューおよび実質CO2フリーメニューを一部のお客さまに対して販売しており、そのメニューを含む電源構成および非化石証書使用状況は上記のとおりです。
- (注1)再生可能エネルギーを含む非化石電源
この電気のうち、非化石証書を使用していない部分は、再生可能エネルギーとしての価値やCO2ゼロエミッション電源としての価値は有さず、火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われます。 - (注2)FIT電気
当社がこの電気を調達する費用の一部は、当社のお客さま以外のかたも含め、電気をご利用のすべての皆様から集めた賦課金により賄われています。
この電気のうち、非化石証書を使用していない部分は、再生可能エネルギーとしての価値やCO2ゼロエミッション電源としての価値は有さず、火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われます。
※太陽光、風力、水力(3万kW未満)、地熱およびバイオマスにより発電された電気が対象となります。 - (注3)卸電力取引所から調達した電気
この電気には、水力、火力、原子力、FIT電気、再生可能エネルギーなどが含まれます。 - (注4)その他
他社から調達している電気で発電所が特定できないものなどが含まれます。
1. FIT電源
FIT電源とは、太陽光などの再生可能エネルギー源で発電され、かつ、FIT制度*によって電気事業者に買い取られた電気です。
2. 非FIT電源/卒FIT電源
再生可能エネルギーで発電され、かつ、FIT制度を利用しない・FIT制度による買い取り期間が終了した電気です。
3. 相対電源
九州電力様や発電事業者から購入する電気です。
4. 日本卸電力取引所(JEPX)から購入
日本で唯一の卸電力取引所から仕入れる電気です。
日本卸電力取引所からの電力を購入する場合、その価格は燃料単価や電力の需要と供給のバランス、気象、大手発電事業者の取引などによって大きく変動します。
しかし、新電力おおいたは不安定な市場価格の影響を受けないように努めており、また、電気の地産地消を目指して、市場からの仕入れを減らすよう取り組んでいます。
このような電源構成のため、新電力おおいたの電源調達コストは、「燃料費調整額」だけでなく
- 日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格
- 大手電力会社の動向
- 社会情勢
- 天候、季節
などに影響されます。
こうした事情から、「燃料費調整額」の上限撤廃だけでは電源調達コストを電気代へ反映できない状況でした。
そうした状況下、2022年6月30日に国から「電源構成に応じた料金調整が行われることが望ましい」という見解が発表されました。電気料金の透明性の確保や、社会全体の利益の向上の観点から、コスト変動を適切に反映した料金体系が良いとの見解です。
参照元:経済産業省 電力・ガス基本政策小委員会「電気料金の在り方について」(2022年 6月30日)資料4-1
私たちもその見解に従い、電源調達コストの変動をより適切に反映するために「電源コスト調整費」の導入を決定しました。
電源コスト調整費導入
ここまで説明した通り、「電源コスト調整費」とは、新電力おおいたが提供する電力を調達する際に発生するコストを、電気代に反映させることを目的としています。
2023年4月1日より「電源コスト調整費」は以下のようになります。
電源コスト調整費=燃料費調整額+調達調整費ただし、電源調達コストは季節や市況によって変動するため、調整の必要が生じる月とそうでない月があります。そのため、調整が必要な月には、プラスの調整費が発生する場合もあれば、マイナスの調整費が発生する場合もあります。もちろん、調整費が発生しない月もあります。
また、「電源コスト調整費」以外は、今までと同じです。
新電力おおいたは、元々の料金設定が安いため、「電源コスト調整費」が導入されても、必ずしも大手電力会社に比べて高くなるとは限りません。
調達調整費の
算出方法
調達調整費の具体的な算出方法は以下の通りです。
- 電源調達単価が還元基準額(9円/kWh)を下回ればマイナス調整
- 電源調達単価が追加請求基準額(12.5円/kWh)を上回ればプラス調整
- 調達調整費が還元基準額と追加請求基準額の間は0円となります。
調達調整費の最新単価は毎月ホームページにてお知らせいたします。
新電力おおいたの想い
私たち新電力おおいたは、
創業以来、
3つの企業理念を掲げています。
新電力おおいたの企業理念
①エネルギーの地産地消
大分でつくった電気を
大分で消費することで
地域経済を潤す②自然エネルギーの普及
再生可能エネルギーを
普及させ、
地球環境を守る③地域活性化
得た利益は地域に還元。
地域活性化の
一翼を担う
再生可能エネルギー(電力)を地産地消することで、地域経済を潤し、まちを豊かに、人を元気にすることが私たちの目的です。そして、その過程で生まれた利益をまた地域に還元します。
現在、新電力は非常に厳しい状況に置かれていますが、私たちはこの目的を達成するために事業を継続しています。今回、皆様には「電源コスト調整費」の導入で、電気代高騰などのご不安を与えてしまうかもしれませんが、私たちも早くこうした状況が改善できるよう、企業努力を続けています。
皆様のご理解がいただけることを心より願っております。
新電力おおいたが続ける努力
ここまで説明した通り、「電源コスト調整費」とは、新電力おおいたが提供する電力を調達する際に発生するコストを、電気代に反映させることを目的としています。
日本卸電力取引所(JEPX)からの電力調達率を下げています新電力おおいたは、燃料高騰、天災、大手電力会社の動向、天候などに左右される不安定な市場価格の影響を受けないよう、日本卸電力取引所(JEPX)からの電力調達率を下げる努力を続けています。
最盛期には全体の50%近くあったものが、現在は10%以下になっています。
新電力おおいたは、燃料高騰、天災、大手電力会社の動向、天候などに左右される不安定な市場価格の影響を受けないよう、日本卸電力取引所(JEPX)からの電力調達率を下げる努力を続けています。
最盛期には全体の50%近くあったものが、現在は10%以下になっています。
エネルギーの地産地消を目指し、地元からの電力調達率を上げています日本卸電力取引所(JEPX)や九州電力からの調達を減らした分、地元で発電された再生可能エネルギーの調達率を上げるよう、努力しています。
全体を見れば、まだまだわずかではありますが、最近は100%再生可能エネルギーと認められる非FIT/卒FITの電源も少しずつ増えてきました。
地産地消の電力の調達率が上がれば、CO2を排出しない、かつ市場価格や世情に左右されない電力を安定して供給することができるようになります。地産地消の電力を調達することで、地域活性化のお手伝いもできると考えています。
日本卸電力取引所(JEPX)や九州電力からの調達を減らした分、地元で発電された再生可能エネルギーの調達率を上げるよう、努力しています。
全体を見れば、まだまだわずかではありますが、最近は100%再生可能エネルギーと認められる非FIT/卒FITの電源も少しずつ増えてきました。
地産地消の電力の調達率が上がれば、CO2を排出しない、かつ市場価格や世情に左右されない電力を安定して供給することができるようになります。地産地消の電力を調達することで、地域活性化のお手伝いもできると考えています。
新電力おおいたは、
電力の安定供給を大前提に
経営理念の実現と
電源調達コストの低減に
努めてまいります
停電時のお問い合せ先
停電情報自動応答サービス
- 0120-426-306
- (大分県・熊本県・宮崎県・鹿児島県)
- 0120-426-305
- (福岡県・佐賀県・長崎県)
専用ダイヤルに電話していただくと停電情報や復旧見込みを自動音声でお答えします。
九州電力送配電コールセンター
※お住まいのエリアによって電話番号が異なります。
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