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2023.12.12発電所の見学 「大分県企業局 鳴子川発電所、阿蘇野川発電所」

地元で⾧年、再生可能エネルギーを生み出し続けている『大分県企業局』の水力発電所 「鳴子川発電所」と「阿蘇野川発電所」を見学させていただきました。
鳴子川発電所が「九重町田野」、阿蘇野川発電所は「由布市庄内町阿蘇野」、どちらも自然豊かな山郷にあります。
水量の多い時期に最大で1,400kW(鳴子川発電所)、1,500kW(阿蘇野川発電所)の発電能力があります。

 

(鳴子川発電所 電気室)

大分県企業局のご担当者に発電所の概要を説明頂きました。電気室には水力発電に必要となる様々な計器やスイッチが・・・
発電所内に机や電話が置かれていますが通常は無人で、トラブルや定期点検時以外は大分市内から遠隔で監視・運転しているそうです。

 

 

(鳴子川発電所 発電室)

 

地下にある発電設備を見学。
発電所建屋は“半地下式”と呼ばれる構造、水路との高低差をかせぐ目的で水車は地下に設置されています。

 

 

(鳴子川発電所 発電室)

 

カタツムリのように見えるのが水車。1 秒間に最大2.2 トンの水が連続して流れ込み、この水車と一緒に発電機を回して電気を生み出します。

 

 

(鳴子川発電所 発電室)

 

スパナなどの工具がたくさん置かれています。故障したら、この場所で修理を完遂させる必要があるので、多種多様な工具が必要になります。

 

 

(鳴子川発電所 発電室)

 

万力(対象物を固定)やグラインダー(砥石で削る)が作業台に設置されています。ここで部品の加工を行います。

 

 

(鳴子川発電所近郊にある 九重“夢”大吊橋 )

鳴子川発電所は歩道専用として「日本一の高さ」を誇る「九重“夢”大吊橋」のすぐ近く。駐車場までバスで来て、歩いて見学に来る小学生もいるそうです。発電に使用した水は橋から見える滝に流れていきます。(自然の一部です)

 

 

(阿蘇野川発電所 看板)

続いて阿蘇野川発電所を見学。入口に看板が設置されています。
発電所建屋だけでなく、河川の取水口などを含んだ設備の概要が記載されています。

 

 

(阿蘇野川発電所 発電所外観)

 

発電所建屋(左)と取水口から引き込んだ水管(右)が確認できます。
発電所は建屋内の設備が注目されがちですが、建屋に引き込む水管なども重要です。水力発電所の出力は「水車までの落差」と「水の流量」で決まるそうで、水車の出力 P [kW] は,P=9.8QHη※ で計算すると教えて頂きました。
※Q [m3/s]:流量 、 H [m]:落差 、 η [%]:水車・発電機の効率

 

 

(阿蘇野川発電所 水管外観)

 

水管で所内へ水を引き込んでいます。水管上部と水車の中心までの落差は74.5m あるそうです。雨や季節などによって河川の水量が変わりますが、その量に応じて水車の羽角度を調整し、ちょうど良い取水量になるよう自動制御しているそうです。(かなり賢いです)

 

 

(阿蘇野川発電所 発電室)

 

建屋内を見学。鳴子川発電所と似ていますが、設備が新しく電動になったため油圧機器などの付帯設備が少なく、すっきりしています。
写真左手から水車に水が流れ込み、水車を回転、水は手前に流れていきます。

 

 

今回見学させて頂いた「大分県企業局 鳴子川発電所、阿蘇野川発電所」の電気には発電時に温室効果ガスを排出しない「環境価値(再エネ価値)」が含まれています。
国は『2050 年カーボンニュートラル達成』を宣言しました。大分県でもその取り組みを進めていく必要があるのですが、大分にある再生可能エネルギーを大分の中で使っていく地産地消の取り組みが絶対に必要になります。
新電力おおいたは「エネルギーの地産地消」、「自然エネルギーの普及」、「地域活性化」を設立理念として事業を行っています。
地元大分の皆さんへ「大分産の自然エネルギー」をお届けできるよう活動して参ります。

 

 

(発電所付近にて)

 

最後に・・・
お忙しい中、時間をさいて「鳴子川発電所、阿蘇野川発電所」をご案内頂いた大分県企業局小水力電気班の皆様、ご対応ありがとうございました!!