フリーコール(通話料無料) 0800-777-5600 受付時間:平日9:00~17:30

新電力コラム

2020.6.29避難所フリーソーラープロジェクト。停電時に避難所の電力を自家発電で賄います

避難所ソーラー①

 

近年、日本中(世界中)で自然災害が頻発しています。「地震、水害などのニュースを目にする機会が増えたな」と感じている方も多いのではないでしょうか?

 

これは決して対岸の火事ではありません。

 

大分県も平成28年4月の熊本地震、平成29年9月の九州北部豪雨などで被害を受け、多くの方々が避難所生活を余儀なくされました。今後もいつ、誰が被災してもおかしくないのです。

 

そんな中、電気という生活に欠かせないもの【=災害時も必要不可欠なもの】を扱う私たち新電力おおいたも「地元大分のためにできることがあるのではないか」「少しでも地域の皆様のお役に立ちたい」と考え、親会社である株式会社デンケンと共同で、一つのプロジェクトを立ち上げました。

 

それが「避難所フリーソーラープロジェクト」です。これは簡単にいうと、避難所の“電気の供給”をサポートする取り組み。

 

今回は地域貢献活動の一環として、2020年3月よりスタートした「避難所フリーソーラープロジェクト」について詳しくお話ししたいと思います。

 

 

避難所フリーソーラーとは

 

「避難所フリーソーラー」とは、災害時に避難所として使われる施設の屋根に太陽光発電設備を設置し、電力の供給がストップしても自家発電(太陽光発電)で避難所の電気を賄えるようにするシステムです。

 

太陽光発電と一緒に、小型の蓄電池(電気を貯めておく電池)も設置し、太陽光で発電ができない夜でも、昼間のうちに蓄電した電気を使うことができるようにしています。

 

またこのプロジェクトでは、スマートフォンの充電ケーブルを必ずセットでお渡ししています。現代社会においてスマートフォンは必要不可欠なツールであり、災害時も大いに役立つからです。

 

連絡を取り合う手段としてはもちろん、情報源であるテレビやラジオの代わりになったり、アプリを活用して不安やストレスを解消したり。

 

事実、2018年9月6日に発生した北海道胆振地方東部地震において、北海道全域がブラックアウト(停電)した際には、スマートフォンを充電するため、市役所には長蛇の列ができたそうです。https://www.asahi.com/articles/ASL966QVCL96ULFA045.html

 

このような事例を受け、避難所フリーソーラープロジェクトでは太陽光ソーラー蓄電池のほか、スマートフォンの充電ケーブルを複数提供し、被災された皆様がスムーズに充電できるようにしています。

 

<避難所ソーラープロジェクトが避難所に提供するもの>

 

避難所ソーラー②

 

 

避難所フリーソーラーは、大分県内の2箇所に設置しています

 

新電力おおいたの親会社である株式会社デンケンは由布市・杵築市と、防災・災害、福祉、子育て、環境エネルギー分野において、包括連携協定を締結しています。

 

包括連携協定とは、自治体と民間企業等が互いに協力し、それぞれの強みを生かしながら地域が抱える課題を解決しようという取り決めです。

 

この包括連携協定における「防災・災害対策」の一環として由布市と話し合いを重ね、2020年3月に避難所フリーソーラーを以下の2箇所に設置しました。

 

①特定非営利活動法人 石城コミュニティースペース庵

 

石城コミュニティースペース

 

住所:大分県由布市挾間町来鉢61番地

太陽光発電設備容量:16.8kW 余剰売電
蓄電池容量:2kWh(スマートフォンで100台充電可)
自立コンセント数:2口(晴天時の自立運転でスマートフォ200台以上充電可)

 

②湯布院福祉センター

 

由布市社会福祉協議会

 

住所:大分県由布市湯布院町川上2863

太陽光発電設備容量:59kW 全量売電

蓄電池容量:2kWh(スマートフォンで100台充電可)
自立コンセント数:9口(晴天時の自立運転でスマートフォン900台以上充電可)

 

 

避難所フリーソーラーは災害時大変役立つものです。今後は他の自治体にも呼びかけ、設置施設を増やしていきたいと考えています。

 

※この取り組みを広く展開していくためには、まずは一人でも多くの方々に、こうした取り組みを知ってもらう必要があります。そのため、7月3日にはメディア関係者をお招きし、由布市との共同発表セレモニーを開催する予定です。セレモニーの模様は追ってホームページでもご報告させていただきますので、ぜひご覧ください。

 

 

避難所フリーソーラーの仕組み

 

避難所フリーソーラーがどういうものかお分かりいただけたと思いますが、私たちがどのように関わるのか、対象施設(避難所)に負担はないのか等、気になる方も多いと思います。

 

以下では、「対象施設(避難所)側」「デンケン・新電力おおいた側」双方から避難所フリーソーラーの仕組みをご説明します。

 

基本的には、対象施設(避難所)の屋根をデンケン・新電力おおいたが“お借りする”という考えです。

 

対象施設(避難所)側

 

対象施設は、デンケンへ太陽光パネルを設置するための「屋根」をお貸しいただきます。その際、金銭的な負担が発生することは一切ありません。

 

<平常時>

太陽光発電設備はデンケンが管理します。施設側には今まで通り使った分の電気代を「新電力おおいた」にお支払いいただきます。太陽光発電を導入したことにより、電気代は今までより安くなることが多いです。

 

<災害(停電)時>

停電時には蓄電池に貯めている電気を利用できます。また、晴天時であれば太陽光発電のパワコンを自立モードに切替えることで、設置した自立コンセントから電気をとることができます。

 

また、自立コンセントから蓄電池に貯めていただき、夜、避難所を利用する被災者の方に使っていただけます。

 

デンケン・新電力おおいた側

 

対象施設の「屋根」をお借りし、太陽光発電設備を設置。さらに蓄電池、スマートフォンの充電ケーブルを設置します。この際に必要となる太陽光発電設備一式、工事費、蓄電池代などの経費は全てデンケンが負担します。

 

自立コンセント(9口)

【自立コンセント(9口)】

 

蓄電池+サービコンセント

【蓄電池+サービコンセント】

 

太陽光発電で発電した電気、施設で使った電気の計量は新電力おおいたが行います。

 

<平常時>

太陽光発電設備を管理し、施設側からは使用した分の電気代をいただきます。さらに昼間施設が使いきれなかった電力(余剰電力)を売電し、設置した太陽光発電設備の費用の回収に当てます。約15年で設備費が回収できる計算です。

 

<災害(停電)時>

設置している蓄電池、太陽光発電システムを施設利用者に開放しますので、自由にお使い頂けます。

 

 

この仕組は、現在すでにあるビジネスモデル、いわゆる「屋根貸し(太陽光ソーラーを設置する場所を貸すor借りることで利益を得る)」と似ていますが、目的が大きく異なります。

 

「屋根貸し」の目的は利益を得ることですが、この避難所フリーソーラーの目的はあくまで災害時のサポートです。

 

そのため、設備費の回収が終了した後は、太陽光発電設備を施設側に譲渡します。更に譲渡時にパワーコンディショナーを新品に交換します。太陽光パネルの出力保証は25年程度ですから、譲渡後も十分お使いいただけます。もちろん、譲渡後の売電利益は施設のものです。

 

 

避難所フリーソーラーの役割

 

被災者の安全を確保し、最低限の生活を維持するために電気は必要不可欠。だからこそ「避難所フリーソーラー」を設置し、万が一停電しても自家発電で避難所の電気を賄えるようにしておく必要があるのです。

 

①情報源、通信ツールの確保

 

災害時、電気で動くラジオやテレビ、パソコン、防災無線、スマートフォンといった「情報源、通信ツールの確保」は非常に重要です。

 

②冷暖房で避難所内の環境を整える

 

避難所にはさまざまな人が集まります。高齢の方、ご病気の方、乳幼児、、、。そんな方々にとって避難所の環境はとても重要です。

 

電気があれば、冷暖房で避難所内の環境を整えることもできます。晴天時であれば家庭用のエアコン、扇風機など使用することができます。近年、夏の暑さは異常ですから、熱中症対策にも役立つと考えています。

 

③精神的支えとなる

 

人は、明るやあたたかさを感じるとホッとします。照明(=明るい部屋)、電気調理器具を使って作るあたたい食事、。それは避難所で不安な時間を過ごす人々にとってかけがえのないものになるはずです。

 

また、電気があれば冷蔵庫や電子レンジを使うこともできます。日常と同じものが使える。それだけで心が安らぐ方も大勢いるでしょう。

 

 

まとめ

 

太陽光などの自然エネルギーで発電する「自家発電システム」を導入することで、災害時に電力の供給が遮断されても、最低限の機能を維持できる「災害に強い避難所」になることから、こうした防災拠点(避難所)への再生可能エネルギー導入は、近年国も推奨しています。

 

避難所フリーソーラープロジェクトはまだ始まったばかりですが、初期に高額な設備費投資が必要になるため、今現在提供側の負担が大きいのも実情です。

 

ですが、私たちの取組みがモデルケースとなり、このような活動が全国に広がってくれたら、大変喜ばしいことだと思っています。

 

もちろん今後我々も、こうした地域貢献活動を広く展開していくつもりです。皆さんの手で、災害に強い地域環境をともに作っていけたら幸いです。